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森の達人が教える森林セラピー01

森での心地よい時間の過ごし方は、 何もしないこと。

森林セラピーの方法は、いろいろあるけれど、これが、ぼくのおすすめ。

黒澤 恒明 32歳 農業・カフェ経営

心をひらいて、自然の中に溶け込む。

 「森の中で、参加した人たちが、一人だけの時間をなるべく多く過ごせるようにする。そのことを一番大切にしています」と語るのは、上野村で森林セラピーのツアーガイドをしている黒澤恒明さんだ。
 「ですから、はじめに、参加者にはできるだけ何もしないでくださいと伝えます。そうして、森の中で静かに自分と対峙して、ひたすら自然に向って心が開くようにしてもらうんです」
 黒澤さんは、魚釣りが好きな少年だった。清流に向って釣り糸を垂れ、一人静かに魚がかかるのを待っていると、いつのまにか自分がなくなって、自然の中に溶け込んでゆく。ときどき、そう感じる瞬間があった。こうした自然との一体感は、大人になった今でも、何事にもかえがたい大切な経験だったと思っている。ツアーの参加者にも、そんな経験をしてもらえたらと、黒澤さんは願う。


黒澤恒明さん

緑の中で、一人ぼっちになれる、
贅沢な時間。

 黒澤さんのツアーは、おおよそ、こんなスケジュールだ。関東でもっともきれいな川の一つとして知られる、神流川の源流域にバスで向う。エリア内は車両規制・入場制限が設けられ、貴重な自然が守られている。現地に着いたら、まずは、森の中で参加者それぞれに一人になってもらう。落ち着いた緑の中で、しばらく自分自身とだけ向き合う時間を過ごす。それから、みんなで集まって、自己紹介を始める。どうしてツアーに参加したのか、森の中で何を感じたかなど、思い思いに口にのぼったことを喋る。昼ごはんは、すばらしい景色の中で、地元の食材をふんだんに使った、からだにやさしい弁当。食事の後は、清々しい木立の中での昼寝。たっぷりとくつろいだ後は、みんなでまた語り合う。森の中で一人ぼっちの時間を多く過ごしたせいか、人といっしょにいることの大切さを改めて感じると言う人もいたりする。計測器を使って血圧やストレス値を測ると、ほとんどの人のリラックス度が増している。ツアーの仕上げは、地元の温泉で、さらにゆったり。

人の暮らしが、
自然とともにある文化。

 黒澤さんは、南北アメリカやアフリカ、ヨーロッパなどを、4年ほどかけて自転車で旅した経験の持ち主だ。上野村に帰ってから家業を手伝ったり、村の職員としてグリーンツーリズムに関わるうちに、一つの疑問を抱くようになった。今の日本は、どうして海外からの輸入品にばかり頼っているのだろう。
 結婚を折に独立し、無農薬・無化学肥料栽培の畑をはじめた。夫婦で大切に育てた野菜を主に使った、料理を提供するカフェ「café yotacco」も開いた。「よたっこ」は、上野村辺りの言葉で「いたずらっ子」を意味する。
 「ここには、便利なものは何もありません。でも、よたっこたちは、自分たちの工夫で、山での暮らしをときめくものへと変えてきました。今でも、上野村には、人の暮らしが自然とともにある文化がしっかりと根付いています。
 そんな自然を活かす知恵をもった暮らしを、お年寄りたちから受け継いでゆくのが、ぼくの目標です。森林セラピーにも、そうした知恵を活かしていけたらと考えています」

cafe yotacco (カフェ よたっこ)
毎週土・日 11:30~18:00
〒370-1613 群馬県多野郡上野村勝山オクマド192
TEL 0274-59-2023
Blog よたっこのよた
※イベント出店や村の行事などでお休みになることがあります。ご来店の際は、予めブログやお電話でご確認ください。


cafe yotacco店内


cafe yotacco外観とご夫婦

森林セラピーツアーに関するお問い合わせ
群馬県上野村 森の体験館 TEL 0274-20-7072

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